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3.5 福島第一原子力発電所の崩壊過程

   地震発生直後の原子力安全・保安院発表(地震被害情報)と東電福島第一原子力発電所発表資料から、緊急事態発生までの推移をまとめる。  こうして、午後3時41分、1〜3号機の「電源喪失」が起こった。M9.0地震発生55分後である。まさに、緊急事態である。福島原発の南50kmに位置するいわき市小名浜を襲った津波の最大波3.3mは15時39分([22])、原発の北40kmに位置する相馬を襲った7.3m以上の最大波は15時50分に観測されたと気象庁は報告している。従って、報告文中の「非常用ディーゼル発電機が故障停止」は、原発敷地を襲った津波に起因すると推定されるが、これまでのところ、その被害の詳細についての発表はされていない。
 敷地境界において500μSv/h を超える値を計測した(12 日15:29)と報告されている。しかし、公表されていた原子力発電所内の計測値には[45]、それらしき値がみられない。
 後日入手した政府の原子力災害対策本部の会議用資料[46][47][48][49]の中に、それに該当する放射線量計測値が見られた。
 この事実だけから推測すれば、東京電力は、全ての放射線量計測値を公表していない。あるいは、非常にわかりにくい形でどこかに公表している可能性もある。更に、公表する場合に、ある値以上の大きい値を削除して公表しているように推定される。次節の図3.29で詳細を説明する。
 後日、原子炉の事故初期のパラメータは「平成23年福島第一・第二原子力発電所事故について、4月8日(08:00)現在、原子力災害対策本部」に記載された。
参考資料:参議院-よ算委員会記録2011年3月28、29日
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Kozan 平成23年8月1日