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8.2 原子力委員会と原子力安全委員会

 これらの二つの委員会は、「原子力委員会及び原子力安全委員会設置法」[92]により規定されている。第一章 総則には次の記述がある。
第一章 総則
(目的及び設置)
第一条 原子力の研究、開発及び利用(以下「原子力利用」という。)に関する行政の民主的な運営を図るため、内閣府に原子力委員会及び原子力安全委員会を置く。
 これらの委員会が内閣府におかれるという事は、省庁の利害から独立するという意味で良い選択と思われる。ここには記されていないが、これらの二つの委員会は、原子力基本法の条項を受けて設置されるので、原子力基本法の根幹ともいえる「人類社会の福祉と国民生活の水準向上とに寄与すること」と「平和の目的に限り」、「安全の確保を旨」とするという本文に規定されているものと考えられる。
 次に、原子力委員会の所掌事務が記述されている。
第二章 原子力委員会
(所掌事務)
第二条 原子力委員会(以下この章において「委員会」という。)は、次の各号に掲げる事項について企画し、審議し、及び決定する。
一 原子力利用に関する政策に関すること。
二 関係行政機関の原子力利用に関する事務の調整に関すること。
三 関係行政機関の原子力利用に関する経費の見積り及び配分計画に関すること。
四 核燃料物質及び原子炉に関する規制に関すること(原子力安全委員会の所掌に属するものを除く。)。
五 原子力利用に関する試験及び研究の助成に関すること。
六 原子力利用に関する研究者及び技術者の養成及び訓練(大学における教授及び研究に係るものを除く。)に関すること。
七 原子力利用に関する資料の収集、統計の作成及び調査に関すること。
八 前各号に掲げるもののほか、原子力利用に関する重要事項に関すること(原子力安全委員会の所掌に属するものを除く。)。
――略――
第五条 委員長及び委員は、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命する。
 原子力安全委員会の所掌事務は次の如くである。
第三章 原子力安全委員会
(所掌事務)
第十三条 原子力安全委員会(以下この章において「委員会」という。)は、次の各号に掲げる事項について企画し、審議し、及び決定する。
一 原子力利用に関する政策のうち、安全の確保のための規制に関する政策に関すること。
二 核燃料物質及び原子炉に関する規制のうち、安全の確保のための規制に関すること。
三 原子力利用に伴う障害防止の基本に関すること。
四 放射性降下物による障害の防止に関する対策の基本に関すること。
五 第一号から第三号までに掲げるもののほか、原子力利用に関する重要事項のうち、安全の確保のための規制に係るものに関すること。
2 委員会は、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律 (昭和三十二年法律第百六十六号)第六十六条の二第一項 の規定により受けた申告について調査し、関係行政機関の長に対して必要な措置を講ずることを勧告することができる。
 第五条は原子力安全委員会にも適用されるので、原子力委員会と原子力安全委員会のメンバーは内閣総理大臣が任命する。原子力委員会と原子力安全委員会は内閣府に属し、経済産業省から形の上で独立している事がわかる。
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Kozan 平成23年8月1日