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4.1 不幸中の幸い

 今回の原発破局は、6基の内、4基が事故を起こすという壮絶なものである。放射性物質は、炉心からのリーク、水素爆発、そして爆発回避の為のベント作業(バルブをあけて炉内ガスを放出する事)等により、大気中に放出された。それらは、風に乗り、雨にまぎれて、広範囲に拡散した。
 使用済み核燃料プールの冷却の目的で、外部から放水した水の多くは地中から海へと流れ出し、海水汚染を引き起こした。更に、原子炉から流出した非常に強い放射線を出す水も流れ出した。それでも、まだ福島原発の原子炉内と使用済み燃料プールには、これの10倍以上の核物質が残っている。
 福島原発の放射線に関しての良い解説が紹介されている。
参考資料:福島原発の放射のうを理解するー物理と工学からの見地、カリフォルニア大学サンタバーバラ校(UCSB)、Ben Monreal 教授
原発崩壊過程の中で、「不幸中の幸い」なる事実が指摘されている。
図 4.1: 緊急炉心停止の効果
\includegraphics[width=16cm,clip]{lucky1hour.eps}
 緊急炉心停止後の、およそ50分間の初動冷却の効果により、危険が大幅に低減された。生まれた時間的余裕をもっと有効に使えた方策はなかったものか。
 発生一ヶ月を経た時点で、炉心の冷却に関してはほとんど進展が見られない。あいかわらず、原子炉水素爆発の可能性も、まだ有限である。

人と放射線のかかわりについては、東大中川先生の注意のまとめ:原発事故に関しての正しい医学的知識、東京大学医学部附属病院放射線科、中川恵一
筆者は、中川先生の所見はかなり勇気ある見解と感じる。世の中の見解が分かれており、判断が難しい件に関しては、自分の経験の範囲内で考えるのが、最後に残された方法であろう。
 私見では、放射線被曝に対して注意する事は次のような事か。

参考:放射線量測定結果公表とまとめサイト
放射線量モニターデータまとめページ サイト
KEK リアルタイム放射線量測定 サイト
放射線データ集 by Okumura サイト
東電 東日本大震災後の福島第一・第二原子力発電所の状況サイト


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Kozan 平成23年8月1日