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一ヶ月後の4月10日になっても、いまだに原発冷却の目処はたっていない。この間の推移を、第21回原子力安全委員会用資料として、原子力安全・保安院がまとめた資料がある。抜粋して紹介する。
参考資料:東日本大震災による原子力発電所への影響について、2011 年4 月4 日、今中他
1. 福島第一原子力発電所の状況
- 1 号機(46 万kW) :自動停止。圧力容器内に給水系ラインを用いて淡水注入中。使用済燃料プールへコンクリートポンプ車を用いて淡水放水を実施。
- 2 号機(78.4 万kW) :自動停止。圧力容器内に消火系ラインを用いて淡水注入中。使用済燃料プールへ冷却系を用いて淡水注入を実施。
- 3 号機(78.4 万kW) :自動停止。圧力容器内に消火系ラインを用いて淡水注入中。使用済燃料プールへコンクリートポンプ車を用いて淡水放水を実施。
- 4 号機(78.4 万kW) :定期検査により停止中。使用済燃料プールへコンクリートポンプ車を用いて淡水放水を実施。
- 5 号機(78.4 万kW) :定期検査により停止中。(20 日14:30 冷温停止)
- 6 号機(110 万kW) :定期検査により停止中。(20 日19:27 冷温停止)
2. 原子力発電所での事故の概要と対応状況
福島第一原発1〜3号機
- いずれの号機も冷却機能が不十分となり、原子炉圧力容器内の圧力が上昇したため、圧力を逃がすために主蒸気逃し安全弁(SR弁)を解放し、内部の気体を格納容器内圧力抑制室に排出。その後、格納容器内圧が上昇したため、内部の気体を外部に放出(ベントの実施)。これに伴う外部への放射能漏れ。
- 1、3号機については、炉心の損傷等に伴い発生した水素が建屋上部にたまり、水素爆発(推定)(1号機:12日15時36分、3号機:14日11時01分)が発生し、建屋の上部が破損したが、原子炉圧力容器及び原子炉格納容器は損傷せず。現在、炉心への淡水注水による冷却作業を実施中。
- 2号機については、15日6時過ぎ、爆発音あり。サプレッション・チェンバー(圧力抑制室)が損傷した恐れあり。引き続き炉心への淡水注水による冷却作業を実施中。 2号機の使用済燃料プールに、冷却ラインを用いて淡水注水を実施。
- 1、3、4号機の使用済燃料プールについては、コンクリートポンプ車により淡水放水を実施。
- 1〜3号機へのタービン建屋地下1階に放射性物質を含む滞留水発見。復水器への移送のための作業中。
- 1〜3号機タービン建屋外のトレンチ(配管を敷設しているトンネル状の地下構造物)の立坑に水がたまっていることを確認。流出防止対策とともに監視実施中。
- 2号機バースクリーン近傍のピットから放射性物質を含む水が流出。流出防止のための作業実施中。
既に、東芝は廃炉まで10年の工程を東電に提示したと報道されている。この先、険しい工程が予想されているが、現在は、原子炉安定冷却をめざして、総力をあげてている。冷温停止状態を早急に実現する事、これが緊急の最重要課題だ。
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Kozan
平成23年8月1日