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9.3 地震列島の日本に原発は適合しない

 最近の地震学の主流であるプレートテクトニクス理論とこれまでの地震の発生経緯からみて、日本列島は世界で最も地震が多発する地域に位置している。この事実は、地球規模の大陸分布状態から決まる不可避の環境であって、半永久的につきまとう拘束条件である。従って、どのような地震理論を駆使して地震発生確率を小さく見積もるとしても、そもそも日本列島内には、原子力発電所は適合していないといっても過言でない。しかも、下図に示すように、311のM9.0地震以来、日本列島全体が地震活動の励起状態に突入した事は歴然としている。集中エネルギー型の原子力発電所という形態そのものが、地震に対して潜在的に弱いという欠点を持つ。これに対し、太陽エネルギー、あるいは風力エネルギーは、分散型な小規模エネルギーが主流であり、地震等による局所的な損傷により全体の性能が大きく損なわれる事はない。更に、発電の結果として危険物質が一切生じないという二点において、地震国日本に適したエネルギー源といえよう。
 原発が蒙る地震と津波の想定作業には、多くの地震学者が関与している。福島の場合、地震発生確率ゼロという予測も含めて、それらの想定が全くでたらめだった事を、事実が証明した。結果から判断しても、このような専門家集団に安全を担保してもらわなければ立地条件をクリアできない原発は、日本のような地震国には適していないのであろう。

図 9.1: 2010年11月〜2011年6月に、中部東北日本で起きた地震。地域別に図示。元データは日本気象協会の地震情報、筆者作図。全地震データのうちで、本図の地域分類に入らず、図示していないデータは18%
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Kozan 平成23年8月1日